転売規制・禁止のニュースから、せどりのモラルについて考えてみた。

先日、Yahooニュースでこんな記事を見つけました。
「楽天から買ったのにamazonから届く。無在庫、タダ乗り直送転売屋、対策強化へ」
せどり・転売に関係がありそうなニュースですね。さっそく読んでみました。

私が読んだのはこの記事です。

どうやら、Amazonで仕入れて、楽天で販売する、無在庫転売が問題に
なっているようです。

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sedoribig

転売規制のニュース

無在庫転売に関する話でした。

ざっとニュースを読んだ感想からです。
まず、この話、実際に普段からよくネットで商品を購入する人や、
せどりや転売をやっている人じゃないと、読んでもチンプンカンプン。
よく分からない人も多いのではないかと思いました。

概要を簡単に説明すると、

とあるブラックせどらー「ゆう」が、楽天で「どこでもドア」という商品を
1万円で出品・販売していたとします。

「どこでもドア」は、実は、アマゾンでも販売されていて、販売価格はなんと
半額の5000円でした。

ある日、ブラックせどらー「ゆう」が楽天の自分の出品管理画面を開くと、
1件注文が入っていました。どうやら「どこでもドア」が売れた様です。

「ぐへへへへ。売れたで~。」
と、ここで普通なら、自分の事務所の倉庫へ行って、「どこでもドア」を
梱包して、お客さんの住所へ配送する訳です。

ところがこの「ブラックせどらーゆう」は、何を考えたか、
パソコンで、amazon.co.jpのホームページを開き、「どこでもドア」を
検索して、販売ページを表示させました。

「どこでもドア」は、楽天の半額、5000円で販売されています。
そして、この男、慣れた手つきで、商品をポチっとかごに入れて
購入、その際「ギフト」扱いとして、お客さんの住所を配送先に指定しました。

※ギフト扱いすると、金額の入った明細などを同封しないように設定出来ます。
さすがに、5000円の明細が入っていたら、お客さんもビックリ(怒ります)
してしまいます。

注文を完了すれば、仕事は終わりです。こうしてこの「ブラックせどらーゆう」は、
商品を一度も手に触れることもなく、1万円から5千円を引いた差額分の(実際には楽天の
支払手数料があるので、もっと利益は少ないでしょうが)利益を得たのでした。

▼注意▼

私、ゆうが実際にこんな事をした訳ではありません(念のため)。

また、記事中で、実際に注文した人の体験談のところで、「自分で注文して、自分でギフト
扱いにした形になっている。」という事が書いてあるので、
注文を受けた業者が、注文者の名前で(ギフト扱いで、明細が同封されないようにして)amazonで購入したのかもしれません。

法律上の問題はなし。

この記事では、この方法について、法律上は問題はないという事を書いています。
では、「何が問題なのか?」というと・・・まあ、せこいから・・・。
という事になって来てしまうでしょうか。

転売・せどりのモラルについて

転売は商売の基本:法律上の問題はない

転売は商売の基本です。生産や製造者が直接、消費者に販売するという形でない限り、
必ず、間に仲介業者(問屋さんなどの卸業者)が入ります。

せどりとは何か?その説明と解説をわかりやすくお届けします。その歴史や、せどりの種類、現在の状況や、「なぜ、せどりで利益がでるのか」という疑問に答える内容となっています。
原理的に、すべての仲介業者は転売業者なのです。
(この記事でも書きました。)

商品をスムーズにより多くの人や地域に届けるために、
仲介業者さんは、なくてはならない存在です(ネットが出来て必ずしもそうでは
なくなってくる可能性もあるのですが、それはここではちょっと置いておいて)。

転売を規制するというのは、仲介業者を規制するという事なので、
法律的には、かなり無理があります。

では、自分が転売の商材を仕入れる時に、どのような判断基準で、
「参入するか?やめておくか?」を決めたらよいでしょう。

私の判断基準を考えてみました。

転売もせどりも商売なので、商売の基本を考えると答えは出る

「あこぎな商売しやがって」

有名なセリフですね。日常ではそうそう使う事はないでしょうが、
「アコギ」とは、「あくどい」とか、「ずうずうしい」という意味合いですね。

別に転売に限らず、アコギな商売は嫌われます。たとえ、法律上は問題なくても。

お客さんが損したと思うかどうかがポイントになる

輸入品を扱う商社の場合

例えば、輸入品の販売を考えてみます。
ベタな設定ですが、アメリカで販売されている人気商品で、
日本では、手に入らないアイテムをある商社が、輸入したとします。

手数料と利益を上乗せするので、当然ながらアメリカでの販売価格よりも
かなり高くなるでしょうが、文句を言う人は少ないと思います。
自分の力で、その商品を手に入れようと思えば、現地まで自分で行かなくては
なりません。文句どころか、感謝する人の方が多い気がします。

近所の商店の場合

では、こんな例ではどうでしょうか。
昨日、私は、近所の商店である商品を1000円で買いました。
ところが、翌日、少し離れた駅前の商店で、まったく同じものが500円で
売っているのを発見してしまいました。

私は多分「しまった。やられた・・・。」と思う気がします。
ひょっとしたら、「あの店ではもう買わん。」とも考えるかもしれません。

でも、このお店人気があるんです。うちの近所のおばあちゃん達に。
値段は高いけど、近所の高齢者のみなさんの家に毎日配達に行っていて、
とっても感謝されています。・・・高いけど。

そうなんです。この近所の商店にとって、私はメインターゲットでは
ないんです。私は多分もうこのお店では買わないかもしれませんが、
このお店は、ちゃんとファンがいて、この人たちの役に立っています。

今回のamazon仕入の楽天販売の場合

では、今回のニュースになった、amazon仕入の楽天無在庫販売は
どうでしょうか?

この業者のターゲットは、楽天ユーザーで、「アマゾンでは、同じ商品が
もっと安く売っている事を知らない人」のような気がします。

もちろん、一部の楽天でしか買わない人、amazonでは絶対買いたくない人が
いれば感謝されるかもしれないのですが・・・。

先に挙げた二つの例より、明らかに「ありがとう。」と言って購入する人の数は
少ない気がします。

購入した人の一部でも「有難い」と思う人がいるのか?

ここで、ポイントになるのは、「外野の意見はどうでもいい。」という事です。
つまり、実際にその商品を買わない人が、「転売屋むかつく!」とか、
まわりでいくらわめいても、全く関係ありません。

実際にその商品を買う人がどう感じるかが大事です。

例えば、沖縄のスターバックス限定のマグカップをある転売業者が
定価以上の価格でネットで販売していたとして、

そのマグカップをどうしても欲しいけど、沖縄まではなかなか遠くて
行く事の出来ない、東京の人が購入したのなら、感謝される事も
多いと思います。

自分で買いに行けば、沖縄まで2万円~3万円の交通費(もっと?)
がかかってしまい、定価より高くてもネットで買った方が得だからです。

だから、外野がとやかく言っても、それが買う人(お金を出す人)に
とって必要だと思うサービスならば、商売として成立するのです。

ただ、そういう視点から見た時でも、この楽天無在庫販売を、
有難いと思ってお金を出す人の割合は、かなり少ない様な気もします。

唯一想像出来るのは、楽天で普段買っていて、amazonで新たに
アカウントを作るのが面倒くさい人ですが・・・。
とは言え、仕入が出来てしまう程の価格差ですからね。
なんとも言い難い所です。

ちょっと強引に、「役にたった。」と言ってくれそうなターゲットを想像すると、

かなりのお金持ちの楽天ユーザーで、新しくアマゾンのアカウントを作る時間があったら、
その分で仕事した方がもっと稼げるというようなスーパーな人でしょうか。

僕は、50円と100円の価格差なら、そんなにブーブー言いません。
すっごい稼いでいる人なら、5000円と1万円の価格差に対して、
僕の、50円と100円の様な感覚で、「大差ないからこっちで買えばいいや。」
となるかもしれませんね(震え声)

また、息子に楽天でのネットの買い方を教えてもらって、楽天からは購入出来るけど、
アマゾンでの買い方が分からないというおばあちゃんにも役に立つでしょうか・・・。
(かなり価格差があるから微妙ですね。)

まとめ

私は、商品を仕入れる時に、モノレートなどで、
需要や、過去の相場などを参考にしますが、

同時に、それを購入してくれるだろう人達の事も想像してみます。
だから、先ほど例に挙げた、沖縄限定のスタバのマグカップなら、
もしも仕入が出来る環境にいるなら、躊躇なく仕入れをします。

「購入する人の事が想像できるからです。」

その際、自分とは別の価値観を持っている人達がいる事を想像できるかどうかも大事です。
自分は、スタバのファンという訳ではないです。だからこのマグカップに、
数千円も出すかと聞かれたら、答えは「ノー」です。

しかし、世の中には、自分とは違う価値観や金銭感覚を持っている人がいます。
現実に、このマグカップは高値で売れていく訳です。

そうやって考えると、今回の楽天無在庫の場合は、ちょっと自分だったら、
「やらないかな・・・。」というのが結論です。

この手法のメインターゲットが、「楽天とamazonの価格差を知らないで買ってしまう人」
だからです。

そして、前述した通り、この販売方法で「役に立った。」と言ってくれそうな
価値観を持つ人の割合が、ゼロとは言いませんが、かなり少ないだろうなと感じるからです。

もう少し踏み込んで言うと、「そんなグレーゾーンで勝負しなくても、充分稼げるのでは?」
というのが本音です。

ただ、これをやっている人に対しては、「すげーな。」と素直に尊敬します。
さらっと、記事に書いてありましたが、「出品商品は全部でおよそ12万種類」だそうです。

これだけの商品は手動では出品出来ないので、ツールで回す事になると思うのですが、
アマゾンの方だって日々、相場は動きますし、しょっちゅう在庫切れも起こすはずです。
そういう変化に常に対応しなくてはいけないはずです。
無在庫だからノーリスクという訳でも、楽に稼げている訳でもないんじゃないかな。

えっ?私が、もしも知らずにその店から買ってしまったらですか?

多分こんな感じになると思います。

ごく自然なリアクションをしてしまいそうです。

もっとも私は、Amazonのページを開くと、自動で楽天の価格も拾ってくれる
アドオンを入れていますので、簡単にはやらかしませんけどね(微笑)

最後に、商品によっては、amazonの方が、楽天より高いものだってあります。
全商品、楽天よりアマゾンの方が安いわけでは、決してないのです。
みなさんご存知だと思いますが、一応書き加えておきますね。

今日は、この辺りで。ゆうがお届けしました。

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