Amazonの売上のつけ方(記帳・仕訳の方法)

以前、せどりで収益を上げて、これから青色申告(or白色申告)を始める方へ向けて、「確定申告の大きな流れを掴んでおこう」と言う内容の記事を書きました。

何から始めたら良いか分からないという人のために~せどりの確定申告(青色申告)、大まかな流れを解説しました。1.売上を把握する2.仕入金額を把握する3.その他経費を把握する。1-2-3 =所得、所得- 控除できる金額=課税所得という大まかな流れを説明します。
今日は、その中のひとつのステップである、「売上」の帳簿のつけ方、具体的な記帳・仕訳の方法について、私が実際に使っているやり方を、メモ代わりに残してみます。

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せどりの売上~記帳・仕訳の方法

私の場合、100% 、アマゾンで商品を販売しておりますので、ここではamazonでの売上の帳簿の付け方を書いてみます。

せどりの売り上げは、通常2週間に一度、amazon から自分の銀行口座に入金(振込)されます。 入金される金額というのは、お客さんが支払った金額から、アマゾンの手数料を差し引いた金額になっています。

売上は入金額ではなく、お客さんが支払った金額ベースで考える

まず大前提として、売上額は、お客さんが支払った金額です。たまに、自分の銀行口座への入金額を売上として記帳している人もいるようですが、それは間違えではないものの、完全に正確とは言えないと思います。

実のところ、入金額を売上としても、支払う所得税の額に変化はありません。お客さんが支払った金額を売上とした場合でも、そこからアマゾンの手数料を経費で差し引くため、結局のところ利益額は同じになるからです。

ですので、入金額を売上にしてしまった方が、手間がひとつ減って楽になるとも言えますが、このやり方だと、ひとつ大きな問題があります。

消費税の免税・納税義務発生の判定ライン「1000万円」に注意

それは、売上にかかってくる「消費税」の問題です。
消費税は、年商、つまり1年間の売り上げが
1000万円以上になると、納税義務
が発生します(2年後からです)。

1000万円以下では、免税です。
つまり、消費税を払わなくてはいけないのか、
それとも払わなくて良いのかを判断するラインが、
「売上1000万円以上か以下か」なのです。

「お客さんが支払った金額の1年間の合計額」が、本来の「売上」です。

「 amazon からの銀行口座への入金額」は、
既にそこから、amazon 支払い手数料という経費が差し引かれています。

つまり、本来の「売上」よりも、入金額の方が少ないわけです。
なので、「入金額が1000万円以下だから、消費税は払わなくていい。」
というのは正確ではないのです。

入金額が、1000万円以下であっても、amazonが支払手数料を天引きする前の、本当の売り上げが、1000万円を超えているというケースは十分に考えられます。

当然、このような場合には、
後からこの点を税務署に指摘され、消費税を納めなくてはいけなくなる可能性もあります。

ですので、最初から入金額ベースを売上とするのではなく、
「 お客さんが支払った金額の1年間の合計」を売上として記帳して行きましょう。

ちなみに私は、消費税の納税義務がある業者ということになり、消費税を3か月ごとに年4回納めております。(いずれ消費税の計算方法や、分割納付の届出方法についても、自分のやり方を書いてみたいと思います。)

実際の売上の記帳方法・仕訳け方法

それでは実際に、売上を記帳・仕訳してみましょう。

まずは、自分のamazonの出品アカウントを開いて、「レポート」→「ペイメント」→「過去の決算情報」へと進みましょう。

具体例として、私の過去の売上データを使って説明します。昨年今年と、ほとんど休業状態でしたので、過労で倒れる前の、そこそこ真面目にせどりをしていた時期のデータを取り上げてみました。 続く記事で、年末の「期ずれ」防ぐための仕訳の方法も説明したいので、時期は12月を選びました。

ちなみに、このアカウントの他に、
輸出用の米amazonアカウント、家族のもう一つのアカウントを運用しておりました。
今考えると、結構がんばっていたんですね。えらいぞ!過去の自分。

さて、写真の「商品代金合計」というのが
お客さんが支払った商品金額ですので、「売上」にあたります。

そして、「振込み額合計」が、
amazonから支払手数料を引かれた後に、
私の口座に振り込みされる、「入金額」です。

そして、一つ注意したいのですが、写真黒枠部分にamazon手数料合計という項目が赤字であるのですが、これが、実際のamazon支払手数料(経費として記帳する額)ではありません。これはあくまで、amazonが(社内ルールで)支払手数料という名目を付けているものです。

同様にその他振込み額というのも、
あくまでamazonルール
ですので、
あまり考えなくて大丈夫です。

調べた所、ここには、オプションでギフトラップなどを頼んだお客さんが、追加で支払った額が入っているのですが、このサービスはあくまで、amazonのサービスであり、アマゾンの商品(売上)になるもので、私達には関係ありません(私達には1円も入ってきません)。要するに、アマゾンが、私たちの商品が売れる際に、独自の商品を付加して売っているという形なので、この金額は私達の売上ではなく、実は、amazonの売上です。

このテーブルだと、いかにも私達の売上に付加されているように見えますが、実際にはその金額は、1円も私達に入って来ていないのです。

細かく1つ1つの商品レベルまで分解すると分かりやすいです。

まったく同じ商品が、同じ日に売れています。
表の上の方は、ギフトラップなしです。
下の方は、ギフトラップを頼んだお客さんです。
一番右側の四角で囲った¥4,721が私の口座に入金される金額です。

見て分かるととおり、
ギフトラップをした場合も、
しない場合も入る金額は同じですね。

そして、赤い四角で囲った部分を見て下さい。
ギフトラップ代金の308円が我々の懐に入るのかと思いきや、
支払手数料が308円増えている!まさにamazonマジックです・笑

つまり、お客さんが支払ったギフトラップ代金308円は、
全額amazonが持っていったという訳なので、
これは、私達には関係のない、amazonの商品であると言えます。

「えっ?さっきお客さんが払った金額が売上っていったのにおかしくない?」

そう思われた方が、もしもいらっしゃいましたら、こういう事です。あくまで、お客さんが私のお店の商品を買うために払った金額の総額が売上なのです。

この場合のギフトラップ代金は、
amazonが全額利益を持っていく、いわば他店の商品
(サービス)です。
他店の売上を、いちいち私たちの売り上げに計上する必要はありませんよね。

シンプルに考えよう

少し細かい話になってしまったので、
シンプルに大きくとらえてみましょう。
上の部分がよく分からなくても、これさえ押さえておけば大丈夫です。

要するに、「商品販売額合計(売上)」から「振込金額(実際に通帳に入るお金」を引いた差額は全てamazonさまに献上している訳ですから、それが私たちの経費となる、amazon支払手数料になります。

ですので、上の写真の例(2014年12月8日~22日の決算)ですと、

[商品代金合計¥1,438,720]ー[振込み額合計¥1,202,577]=[amazon支払手数料]

となり、経費となる「支払手数料」は¥236,143となります。

実際の仕訳・記帳例

では、実際に仕訳・記帳してみます

上の写真で取り扱った、
「2014年12月8日~22日の売上」を記帳してみます。

まず、22日にこの期間のペイメント(売上と入金額)が確定しますね。そして、実際にamazonから、私の口座に入金があるのは、だいたい3日~4日後です。

売上が確定したあと、
口座に入るまで3日程度ですが、
タイムラグがあるので、私の場合は、「売掛金」として、処理をしています。

1.会計ソフトの「売掛帳」に記入する

まず、12月22日時点で、売掛金が発生したという事を記帳します。

日付は12月22日。

借方 売掛金 金額¥1,438,720  貸方 売上金額 ¥1,438,720

という形の処理になります。
会計ソフトにもよりますが、
「売掛帳」という所を開いて、日付と金額を入れれば大丈夫です。

2.口座の入金を確認したら、振替伝票で売掛金の消込を行う

3日後の25日に、無事に口座への入金を確認しました。
金額は、amazon手数料を差し引かれた、¥1,202,577でした。

入金が確定したので、今度はそれを記帳してやります。
その際、私は「振替伝票」というものを使って処理しています。

最新のクラウド会計ソフトなどの場合、
¥1,202,577の銀行口座の入金データに
チェックマークを入れるだけで、この「消込作業」が終了してしまう様ですが、

私の旧式会計ソフトでは、
ちゃんと伝票を書いてあげなくてはいけません。

具体的には、

この写真の様な伝票を作って登録してやります。(12月25日付)

借方 ○○銀行      金額¥1,202,577  / 貸方 売掛金  金額1,438,720

借方 amazon支払手数料 金額¥236,143

この様な表になります。

注意する点は、伝票の左半分の合計額と右半分の合計額が一致していることです。

この場合は、銀行入金額とamazon支払手数料の合計額が、売掛金1,438,720と一致しなくてはなりません。(金額が合っていないとソフトが自動的に指摘してくれます)

上の処理は、12月22日に¥1,438,720の売掛金が発生しましたが、12月25日に、¥1,202,577の口座入金を確認し、残りの¥236,143はamazonに経費として払いました。よって、売掛金は全額、消化されましたよ。

という会計の処理になります。

これで、この期間の売上の記帳を完了させることが出来ました。amazonの場合、2週間ごとに決算期間(売掛金確定)がくるので、月2回プラスアルファで、1年分だと、26回くらいこの作業をする(記帳する)事になります。

難しく感じるかもしれませんが、
1度覚えてしまえば、問題なく出来ますのでがんばりましょう。

なお、Amazon引当金が発生している方は、

確定申告のためにAmazon の売上を記帳する際に、「引当金」というものを処理しなくてはならない場合があります。今回は、この引当金の仕訳...
もう少し複雑になりますが、こちらの方法が使えるかと思います。

「売上」以外にもせどりで青色申告を
する際に押さえておきたいポイントがいくつかあります。

こちらの記事でまとめてみましたので、あわせてご覧ください。

今はちょっぴり大変かもしれませんが、
ひとつひとつ丁寧に理解して、作業して行けば大丈夫ですよ。

さて前回の記事では、せどりで確定申告をする必要があるのは、いくら以上稼いだ方なのか? という内容をまとめてみました。 ...
また、年度末(12月31日)を含む期間の、
売上の記帳方法については、
本記事では、年度末(12月31日)をまたぐ、アマゾンの売上の会計処理の方法について説明してみます。アマゾンのペインメント(決算期間)は、2週間に1度なので、どうしても期末日をまたぐ、売上確定報告が出てきてしまいます。それをどのように仕訳・記帳したらよいかを考えていきます。
こちらの記事をどうぞ。

これらをしっかりとやっておけば、

実は少し前になりますが、せどり(インターネット物販) で税務調査を受けました。 という事で、その時に様子や、注意点など報告し...
税務調査が入っても大丈夫です(苦笑)

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コメント

  1. ほっけ より:

    初めまして、参考になる記事ありがとうございます。

    この記事を読んでとても勉強になったのですが、1点疑問がありもし良ければ教えてください。

    売上高はお客さんが支払った金額ベースで考えるということですが、入金時に差し引かれるamazon 支払い手数料等にはすでに消費税が含まれているため、入金額ベースで自身の売上高を申告して問題ないと考えていました。

    実際これまでそのように申告していたので、ちょっと不安になりました。
    よろしければご教授ください。

    • yu より:

      ほっけさん、はじめまして。コメントどうもありがとうございます。

      せっかくコメント頂いたのに大変心苦しいのですが、

      【税理士法により、資格を持った税理士さん以外の者が、
      税務相談、アドバイスをすることは、
      法律によって禁止されているのです】

      この記事のように私の体験談として、「私はこうやっています。」という
      ものを一方的に書くことは出来るのですが・・・。

      「こうした方がいい。とかそのやり方で大丈夫。」などの
      個別のケースで具体的なアドバイスを書くことは、
      法律違反になってしまう可能性が高いのです。

      ですので、一度税理士さん(青色申告の相談会では、無料での相談も出来るのでは
      と思います)に相談してみるなど、専門家のアドバイスを
      仰いでみてはいかがでしょうか。

      先に述べた税理士法があるため、私では、
      「どっちを売上高にしたほうがいい。」という
      具体的なご助言をする事が出来ないのです。

      ちゃんとしたお答えが出来ず申し訳ありません。
      すっきりと不安が解消される事、祈っております。

  2. たこ より:

    初めまして。
    私も参考にさせていただきました。
    上記のコメントでアドバイス等は出来ないとのことで確認させていただきました。
    アドバイスではなく、yuさんの経験があればお伺いしたいのですが、商品代金合計よりも振込金額が上回ってしまった場合の仕訳はどうされていますか?

    もし可能で、経験もございましたら、お聞かせいただけますと幸いでございます。
    どうぞよろしくお願い致します。

    • yu より:

      たこさん、コメントありがとうございます。
      申し訳ないです。
      うちの場合、そのようなケースは今の所なかったので、なんとも言えないのです。

      無事に解決なさっていらっしゃるとよいのですが・・・。

    • 萩野 より:

      たこ様
      私もアマゾンの商品代金合計よりも振込金額が上回ってしまって仕訳に困っています。
      仕訳はどうされましたか?もしよろしければ教えて頂けませんでしょうか。
      確定申告の仕訳で大変困っています。

      • yu より:

        萩野さんこんにちは。
        yuです。

        当ブログの別の記事「Amazonの引当金の仕訳・記帳方法【Amazonせどり/売上】」の
        記事をご覧いただいて、私と同じようなケースならその記事のやり方でいけるかと思います。

        少し複雑でわかりにくいのですが、記事途中の

        「期間の売上(売掛金)より、銀行入金額が多い場合(商品代金合計よりも振込金額が上回ってしまった場合)」

        という所です。

        ここだけ読んでも非常に分かりにくいので、
        上記記事を丸ごと読んで頂き参考にできる部分があったら
        使って頂けると嬉しいです。