せどりで利益が出始め、今年から初めて確定申告(青色申告or白色申告)をするという方も、たくさんいらっしゃると思います。
中には、「確定申告をしなくてはいけないけれど、一体何から手をつければよいのか、どこから始めればいいのか、分からずに困っている。」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
今日はそういう方々が、読み終わった後、少し頭がすっきりするように、この記事を書いてみようと思います。
目次
確定申告の大まかな流れを知っておこう
いきなり、帳簿がどうの、仕訳が云々、複式簿記に棚卸・・・。調べたら一度にいろいろな情報が出てきて、かえって混乱してしまう方も多いでしょう。
確定申告とは?
まずはそれ以前に、そもそもなぜ確定申告をするのか?
確定申告とは何か?
という所から入って行きましょう。
確定申告は、所得税をいくら払えばいいのかを決めるため(確定させる)に行う。
今年一年間で、いくら稼いだのか、その額をしっかりと計算し、それによって、いくら税金を払えばいいのか決めるのが、確定申告です。
稼いだ額に応じて、所得税がかかりますので、その金額を計算してやるわけです。
完成させた確定申告書類を、税務署に提出するのと共に、その税金(所得税)の金額を支払います。 ここまでやって確定申告が完了します。
ということは、確定申告をするためには、まず「自分が今年一年でいくら稼いだか。」
その具体的な、金額を算出しなくてはいけません。
「いくら稼いだか」つまりこれは収入ですね。1年間の収入を正確に知る必要があるのです。
注意:ここでいう収入とは、私たちが、日常使う感覚で言う「収入」のことです。
正確な収入(所得)を知るために必要なこと
それではどうすれば、この一年間で、せどりで稼いだ金額を計算できるでしょうか。
1.売上を正確に把握する。
まず収入を知るには、自分のこの1年間の売り上げを出さなくてはなりません。
アマゾンで販売しているせどらーさんの場合、これは非常に明確ですね。
amazonの2週間ごとのペイメントを 1年分合算していけば、あなたの一年間の売上、つまり年商を正しく把握することができます。
※青色申告で、アマゾンの2週間ごとのペイメントを記帳する方法については、また改めて別の記事で詳しく解説する予定です。
2. 仕入金額を計算する。
1年間の売り上げが分かったら、今度は仕入金額を正しく出しましょう。
この1年間の合計仕入金額が、 全落経費(売上から差し引ける仕入金額)だと、
一瞬勘違いしてしまいそうになりますが、ちょっと待ってください。
今年、仕入れた商品が全て売れていたらそれで大丈夫なのですが、実際には売れ残った商品もあるはずです。その分は、経費にはできないので差し引かなくてはなりません。
1年分の仕入れをしたレシートを、全部記帳し合計仕入金額を計算します。
そして、12月31日におこなった、棚卸作業で、今期売れ残った在庫数を把握します。
それをもとに、今期売れ残った在庫の金額を計算します。
「今年の経費に出来る仕入れ金額」=
「今年の合計仕入金額」+「今年の1月1日に売れ残っていた在庫の金額」
-「今年の12月31日に売れ残っていた在庫の金額」
となります。この棚卸の計算作業については、以前こちらの記事で解説しましたので、
3.その他の経費を算出する
1年間の売り上げと、そこから差し引ける仕入金額を割り出すことができました。その他にもまだまだ、経費はありますね。
それらを一つ一つ、記帳して行きます。
主な経費をざっと挙げてみます。
「荷造運賃」
アマゾンのFBAにゆうパックや宅急便を使って納品したお金や、自己発送している人は、商品の発送にかかった金額です。
その際必要になった、ダンボール、 プチプチなどの梱包資材もそうですね。
「水道光熱費」
事務所の水道光熱費。自宅を使用している場合は、仕事で使った分だけを経費にできるので、家事按分というものをしなくてはなりません。
「旅費交通費」
仕入れに行く際に、電車やバス、タクシー、飛行機、レンタカー、これらを使えばそれも経費になります。ただ、仕事で使った場合だけです。ここは、しっかりとプライベートと分けておきましょう。
「通信費」
せどらーにとって、スマートフォンは必需品ですね。月々の使用料は、通信費として計上できます。同様に、PCでの出品、在庫管理作業も必須です。そのためインターネットプロバイダ料金も、経費ですね。 固定電話料金も、事務所使用があれば経費になります。
ただしこれらも、仕事以外のプライベートな利用がある場合も多いと思います。なので、仕事での使用割合を、使用頻度や使用時間によって、割り出し、その分だけ経費にしましょう。
これも家事按分と呼ばれるものです。
「消耗品費」
プリンターのインクや、印刷用紙、ラベルなど、発送納品作業の際に使用したものは、全て経費になりますので、必ず記帳しましょう。
「給料賃金」
もしもご結婚されていて、奥さんが手伝ってくださっていれば、青色申告ならば「専従者給与」という形で経費にできます。また実際に、アルバイトなどを雇っていれば、その分も経費になります。
「地代家賃」
自宅を事務所にしている場合は、家賃も経費になります。その際、仕事で使っている部分と、私用で使っている部分の面積の割合を出して、仕事で使っている割合の分だけ経費にできます。(家事按分)
「車両維持費」
私もそうですが、仕入れに車で出かける方は、ガソリン代も経費になります。
また、車の維持に伴う、オイル代や修理費(修繕費)、車検代(その中に含まれる税金は租税公課として仕訳)も経費となります。
これも、私用が含まれる場合は、その分を除いて経費にします。そうです。またも家事按分ですね。
「会議費」
私の場合は、夫婦でせどりをしているので、軽食を取りながら、 仕入れについての打ち合わせをしたりします。その場合は、会議費として計上します。
「amazon 支払い手数料」
これを忘れてはいけませんね。このamazon 支払手数料は、銀行に入金される段階で、既に天引きされております。
つまりamazonせどりの場合、 実際の入金額は、売上額からamazon支払手数料を引かれた金額ということになりますね。
この記帳の仕方は、売上の記帳の仕方と合わせて、別途記事にしたいと思います。
「新聞図書費」
例えばせどりについての情報商材を買って勉強をしたり、本を買って勉強した場合は、新聞図書費として経費にできます。
「雑費」
私の場合は、コンビニでコピーを取った時など(書類の控え)、雑費で処理していました。
いかがでしょうか?今パッと思いついた分だけでこれだけありました。
他にも、もしもプリンターが壊れて買い換えたら、それも経費になりますし、パソコンもそうです。
「減価償却には注意」
ただし、 パソコンの場合、青色申告であれば30万円以下まで、その年の経費に出来るのですが、白色申告ですと、10万円以上のパソコンの場合は、一括でその年の経費にはできず、何年かに分けて、経費にしなくてはいけません。これを減価償却と言います。
上で挙げたものは、あくまで私の場合で、人によっては他にも、経費になるものがあると思います。仕事で必要で購入したり、利用したものならば経費になるので、忘れずに、レシートや領収書を集めておきましょう。
ただし、私用で使ったものは経費になりませんので、しっかりと、仕事用と分けたり、割合を計算して、私用分を除く、「家事按分」をして、正しい経費の算出をしましょう。
4.売上から仕入金額と他の経費を引いた金額「所得」を出す。
1~3の金額を出すことによって、私たちが「この1年間でいくら稼いだか」を計算することができます。感覚的にわかりやすいように、これを収入と言いましたが、税法上の言葉では「所得」と言います。(ちなみに、税法上だと、収入は、売上のことだそうです。)
5.所得から控除できる金額を差し引く
こうして算出された所得から、差し引くことのできる金額があります。それが控除です。
代表的なものとして、「基礎控除38万円」「青色申告特別控除65万円(複式簿記の場合)」
「社会保険料控除(1年間に支払った国民年金や国民健康保険の額)」
をはじめ、「生命保険料控除」や「医療費控除」など、とにかく多種類の控除があり、適用される条件を満たせば、その額を所得から差し引くことができます。
こうして、所得から控除できる金額を差し引いた額を「課税所得」といい、この金額をもとに、私たちが支払う所得税の額が決まるのです。
ようやくここまでたどり着きました。皆さんどうもお疲れ様でした。
要するに確定申告は、この「課税所得」の金額を、算出し、そこから支払うべき税金の額を決定する作業なのです。
なので、正確には、納税額を計算するために、あとひと手間掛かります。
「課税所得額」を「所得税の計算表」に照らし合わせながら、所得税額を計算してやるのです。
「まとめ」
いかがでしたか。確定申告の大きな流れを理解して頂けたでしょうか。
これが分かっていれば、後は一つ一つの細かい作業を積み上げていくだけです。
1.売上を把握する
2.仕入金額を把握する
3.その他経費を把握する
1-2-3 =所得
所得- 控除できる金額=課税所得
課税所得をもとに、所得税の計算表を参考にしながら、納める税金額を決定する。
これが、確定申告の大まかな手順です。
せどりというビジネスは、必要経費が他のネットビジネスに比べると多岐にわたり、量も多いため、少々労力がかかってしまいますが、これを早く終わらせて、またガンガン仕入に行ける日を楽しみに、乗り越えていきましょう。
以上、ゆうがお伝えしました。