さて前回の記事では、せどりで確定申告をする必要があるのは、いくら以上稼いだ方なのか?
という内容をまとめてみました。
今回はもう一歩踏み込んで、せどりで利益を上げた方が、初めて確定申告をする場合に気をつけるべき注意点について、考えてみようと思います。
なお税理士法により、資格を持った税理士さん以外の者が、税務相談、アドバイスをすることは、法律によって禁止されています。
ですので、ここでは、私自身が初めて確定申告(青色申告)に挑戦した際に、分かりづらくて悩んだ点、躓いた点、そしてそれをどのように処理したかについての個人的な体験を記していく事にします。
つまり私自身の青色申告実践日記のような形になります。
ですので、誰にでも当てはまるという訳ではない事、あくまで「私のケースではこうでしたよ。」という内容である事を、事前にご理解頂いた上で、お読みください。
目次
私の場合初めての確定申告は白色でした。
まず私の場合、初めての確定申告は、白色申告で行いました。
この時は、確定申告をしたものの、 売上から経費を引いた金額である「所得」が低くて、結局税金はかからなかったものと記憶しています。
その後、順調に業績が伸びたため、色々と勉強し、思い切って青色申告をすることにしました。
前回の記事でも書きましたが、青色申告をするためには、事前に届出が必要となります。
3月の初め頃、前の年の確定申告(白色)の書類を提出しに、税務署に行った際に、
「所得税の青色申告承認申請書」というものをもらってきて、それに記入して提出をしました。次の確定申告を青色で行うためには、この書類を3月15日までに出さなくてはなりません。
ギリギリに提出したので、結構焦ったような記憶があります。
私が青色申告(確定申告)を行う際に分からなくて苦労した5つのポイント
1. 棚卸(たなおろし)
せどりの利益の計算方法で、一つ気をつけなくてはならない事がありました。
これは、青色申告、白色申告共通の注意点です。
例えば、私が1年間に仕入れで 300万円を使ったとします。
そして1年間の売上(入金額)が200万円でした。
この時、仕入金額以外に経費がかかっていないものとして、利益(所得)を計算すると、
(一年間の売上200万円)-(1年間の仕入金額300万円)= -(マイナス)100万円
「マイナスになったから、税金がかからない。ラッキー♪」
などと一瞬勘違いをしたのですが、よくよく調べていくと、これは大間違いでした。
もちろん、1年間の最終日、12月31日の時点で、売れ残った在庫が1点もなかった場合には、純粋な赤字となりますので、税金はかかりません。
(ただし、その場合には税金どころの話ではないと思います。仕入れた商品がことごとく原価割れを起こしてしまったのですから、かなりの大ダメージですね。利益を上げるビジネスという形が成り立っていない訳で、税金以前の問題です。)
もしも12月31日の時点で、「仕入れた商品の中の150万円分が、すでに売れていて、それが売上として200万円になっていた。」
という場合には、利益(所得)の計算は次のようになります。
(1年間の売上200万円)- (すでに売れた分の仕入金額150万円)=50万円
つまり、1年間の利益は50万円となるわけです。
これだと状況によっては、税金を納める必要が生じます。
まだ売れていない在庫は資産扱い~経費にはできません
実際に仕入れ金額として300万円使っていても、 まだ在庫として手元に残っている150万円分については、「資産」とみなされ、必要経費とすることができないのです。
年度の最終日に、残っている「在庫資産」を確認して、その金額を確定することを「棚卸(たなおろし)」と言います。
上記の例では、売れ残った在庫「棚卸資産」は、150万円です。
この棚卸資産をしっかりと把握することによって、すでに売れた分の仕入金額を計算することができます。
せどりは物販ですので、必ず在庫が生じます。したがって12月31日時点で、この「棚卸し」という作業をする必要があるのです。
はっきり言って非常に面倒くさい作業ですが、非常に大切な作業でもあります。これを怠って、後で税務署さんから、 棚卸金額の間違い(そもそも棚卸をしてなかったなど)を指摘された場合、
結構な額を追加で納めなくてはいけなくなる可能性もありますので、 棚卸は、しっかりと確実に実施しなくてはなりません。
2.発生主義をしっかりと理解する事が大事
「発生主義」とはいったいなんでしょうね?何やら聞き慣れない言葉が出てきたなと、思った方もいらっしゃるかもしれません。
私もそうでした。
発生主義(はっせいしゅぎ、accrual basis)とは会計原則の一つで、現金の収入や支出に関係なく、経済的事象の発生または変化に基きその時点で収益または費用を計上しなければならないとするもの。 収益と費用を現金の受け渡しの時点で認識する会計原則である「現金主義」と対比される概念である。
ウィキペディアより引用
https://ja.wikipedia.org/wiki/発生主義
ウィキペディアに書いてあることを読んでも、今一つ意味が分からないという感じだったのですが、色々とネットや本で調べながら、勉強するうちにやっと理解できるようになりました。
期ズレに注意
この発生主義の原則をよく理解しないで、確定申告を行った時に起こる、一番のトラブルが、いわゆる「期ズレ」と呼ばれるものです。
せどりは、販売にアマゾンを使うことが多いと思います。私は100%アマゾンで商品を販売していますので、私が気をつけていることを書いてみます。
Amazon からの売上の入金は、2週間に一度です。
例えば、2週間のペイメント期間が 「12月20日から1月2日 」であったとします。
この場合、1月2日の時点で、2週間の売上が確定し、入金されるのは1月5日前後になります。
この2週間の売り上げが、30万円あったと仮定しましょう。
入金されるのは、年を越した1月5日です。
12月31日までにお金が入っていないのだからと、この分を全額翌年の売上にしてしまうのは、間違いになります。
発生主義では、たとえまだ現金を受け取っていなくても、実際に商品が動いた段階で 、「売り上げが発生した」と考えます。
このケースでは、 2週間の売り上げ30万円のうち、12月31日までの12日間分の売上を計算して、それを本年度の売上に計上しなくてはなりません。
12月31日までに、25万円分が売れていて、1月1日、2日の2日間の売り上げが5万円だった場合、 25万円分を今年の売上として申告しなくてはいけません。
その際まだ、自分の口座にはお金が入金されていないので、「売掛金」という形で処理をするのですが、煩雑になってしまうので、ここでは省略します。
この25万円分の売上を本年度に入れ忘れてしまうと、当然ながら、売上は本来より低くなり、支払う税金もその分少なくなります。
そのため、後から税務署にこの間違いを指摘された場合には、足りない分を追加で納めなくてはなりません。
ずいぶん長くなってしまったので、次の記事へ続きます。
さて、初めての確定申告、青色申告で私が戸惑った点について、実体験を書きました。
5つ挙げようと思ったのですが、2つ書いただけで、随分と長くなってしまったので、
残りの3つに関しては、次の記事で改めて書こうと思います。
確定申告は、普段経理などに慣れ親しんでいない方にとって、若干敷居が高い面もあると思います。私も随分手間取りました。
しかし、インターネットや本から知識を得たり、税務署に直接電話をしてわからないことを尋ねたりして、どうにか自分で出来るようになりました。
青色申告の損益決算書を眺めていると、自分のビジネスの利益率や削減すべき無駄な経費などが見えてくることがあります。
かなり時間もかかり、ちょっとしんどい思いをしましたが、色々な気づきも得ることが出来、今は自分でできるようになって良かったなと思っています。
今後税理士さんにお願いをするという事もあるかもしれませんが、
その場合でも、自分でもやれるというのは、ひとつ大きなアドバンテージだと思っています。
いずれにせよ確定申告は、せどりで稼いだ場合、避けては通る事の出来ないものです。しっかりと勉強して、クリアしていきましょう。
以上、せどり大好き、ゆうがお届けしました。
こちらの記事につづきます。