さて、前編では、せどりで利益を上げた方が、初めて青色申告、あるいは確定申告をする際に、注意しておきたいポイントを2つ挙げました。
「棚卸(たなおろし)」に関しては、青色申告でも白色申告でも、物販である以上、必ず行わなければならない、重要な作業です。しっかりと、在庫をチェック・管理して、 準備をしておきましょう。
2点目の「発生主義」ですが、実は白色申告の際には、採用しなくてもいいことになっています。 「現金主義」と言って、実際に現金の動き(入金or支払い) があった日付で記帳するやり方でも大丈夫です。
ただ、青色申告には、白色申告にはないメリットが多くありますので、どうせ確定申告をするならば、早いうちから青色申告に挑戦する方が、良いのではないかと思います。
というのも私は、最初、白色申告から始めたのですが、 青色申告に変えた時に効果の大きさを実感し、「これなら最初から青色申告で頑張っていればよかった。」 と後悔した経験があるからです。
以上の2点に関しては、また改めてもう少し詳しく、自分が行ったやり方を記事にしてみようと思っています。
さてそれでは後半戦です。
青色申告 押さえておきたいポイント・注意点
3つ目のポイントは、
家事按分(かじあんぶん )
またも何やらよくわからない言葉が出てきましたね。大丈夫です。今からわかりやすく説明いたします。
自営業で、個人事業主としてせどりを始めると、自宅を事務所代わりに使うことになると思います。最初から自宅の他に事務所を借りる方も、いらっしゃるかもしれませんが、大抵は自宅でのスタートとなると思います。
私もそうでした。といますか、未だに自宅が事務所となっております。
もしもあなたが貸家に住んでいたとします。家賃は経費になるでしょうか?
事務所として使う部分に関しては、当然ながら必要経費となります。しかし、寝室など、プライベートな空間は、仕事では使いませんよね。
ですので、家賃は、仕事で使う部分に関する範囲で、経費にすることが認められています。
例えば私の場合ですと、4部屋ある貸家の1室を事務所として使用しております。
使用面積としては、全体の1/4ですね。そのため、毎月支払う家賃の1/4を経費として、記帳しています。
8万円の家賃だとしたら、2万円を「事務所家賃」として経費にできるわけです。
これを家事按分と言います。家賃だけではなく、車を私用と仕事用で共有していた場合は、
仕事で使った分のガソリン代だけを経費にします。
この割合は、少々面倒ですが、1か月間の走行記録を取り、実際に仕事で使った割合が、何パーセントだったかを算出して割出します。
他にもインターネットの費用などの通信費や、光熱費なども、全てデータを取り、仕事での使用割合をしっかりと計算し、その分だけ経費として記帳します。
万が一、後で税務署の方に、使用割合の根拠を尋ねられた時のために、それらの記録をしっかりと書類として残して、いつでも提示できるようにしておきましょう。
この書類として、使用割合のデータを残すというのが、非常に重要になってきます。
手間がかかりますが、これは絶対に行っておきましょう。
会議費・交際費は、必ずメモを残すこと
さて4つ目のポイントは、会議費と交際費です。
お茶を飲んだり、軽食をとりながら、仕事の打ち合わせをすることは、比較的よくあることだと思います。これらは会議費として経費にできます。
私の場合は、 妻と一緒に仕事をするため、 コンビニでお茶とパンを買って、中の休憩スペースなどで、飲食をしながら打ち合わせをすることがよくあります。
この時購入した、お茶とパンは、会議費となります。
ただし注意点があります。この時、購入したレシートに必ず、打ち合わせの内容などをボールペンでメモしておきましょう。
仕事の打ち合わせをするために、購入したものだという根拠を残すためです。
私の場合、打ち合わせの内容は「仕入れのルートの選定(どの順番で仕入れ店舗を回るか)」や
「リサーチする商品についての確認(この店では、ゲーム関連を中心に仕入をしようetc」
「仕入れ後の出品作業の段取り」
だったりと、その時に応じて多岐にわたりますが、 いくつかのパターンがあるので、その時に一番時間を割いて、話し合った内容をメモしておくようにします。
一言レシートに記入しておくだけで良いのです。これをしておかないと、後から税務署の方に 「ただの飲み食いなのか、仕事の打ち合わせで必要な飲食だったのかを、根拠を持って説明出来なくなってしまいます。」
非常に重要なポイントです。しっかりと書き残す癖をつけるようにしましょう。
同様に交際費においても、領収書に取引先のお相手の名前などをしっかりと書き記しておきましょう。
これは私の一例ですが、こんな感じです。
「鈴木さん、佐藤さん(ともにAmazon インターネット物販個人事業主) と、
今後のアマゾンの動向など情報交換のため 」
これはまあ分かりやすく言うと、せどらーどうして飲んだわけであります。
ちなみにこういう席で、何万円もするような情報商材でも決して手に入らないような、
大事なノウハウを惜しげもなく教えてもらえたりすることが実際にあります。
同業者はライバルでもありますが、同じ境遇を理解しあえる戦友でもあります。リアルなせどらー同士の付き合いは、大切にしましょう。
青色申告用の会計ソフト
最後のポイントです。
青色申告は、会計ソフトが必要不可欠です。
昔は手書きで帳簿記帳していたのでしょう。 そんな時代には、複式簿記なんて手間がかかりすぎ、税理士さんに頼まずに、個人で行うことは非常に難しかったと思います。
しかし今は便利なソフトがあります。初めての方でも、しっかりと勉強しながら行えば、パソコンに入力するだけで、しっかりと複式簿記ができます。
使用するソフトなのですが、できるだけメジャーなものの方がいいです。万が一、使い方がわからなかったり、躓いたりした時に、解決策がインターネット上に豊富に出回っている可能性が高いからです。
あんまりマイナーなソフトだと、ネットで検索しても、解決策が見つからないなどということもあり得ます。
ちなみに私は、「ミロクのかんたん青色申告 」というソフトを使っています。少し前に購入したため、これはパッケージ版なのですが、 ここ最近は、色々なメーカーからクラウド版が沢山出てきました。
会計ソフトは一度使い始めると、他のソフトに乗り換えるのが、非常に面倒くさいため、長く使い続けることになります。(ソフトごとに操作方法が異なるため、新しいものに乗り換えると、また一から使い方を覚え直さなくてはいけなくなります)
次の機会には、会計ソフトについても書いてみたいと思います。
基本的には、メジャーで実績があるソフトであればどれでも問題はありません。とにかく一度使い方を覚えてしまえば、毎年同じ作業をするだけで大丈夫です。
確定申告を始めるという事は、せどりで利益が出たという証です。たとえ額は少なくとも、一人の事業主・経営者として、あなたは歩み始めたのです。そう考えたら、この面倒くさい作業も、誇らしく思えて来ますよね。
さあ、がんばって期日までに終わらせて、はやく仕入に行きましょう!
それでは今日はこの辺りで。
以上、ゆうがお届けしました。